Electron Cyclotron Current Start-up Using a Retarding Electric Field in the QUEST Spherical Tokamak
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著者
T. Onchi, H. Idei, K. Hanada, O. Watanabe, R. Miyata, Y. Zhang, Y. Koide, Y. Otsuka, T. Yamaguchi, A. Higashijima, T. Nagata, I. Sekiya, S. Shimabukuro, I. Niiya, K. Kono, F. Zennifa, K. Nakamura, R. Ikezoe, M. Hasegawa, K. Kuroda, Y. Nagashima, T. Ido, T. Kariya, A. Ejiri, S. Murakami, A. Fukuyama, Y. Kosuga
装置
研究分野の詳細
本研究は、球状トカマク装置QUESTにおいて、電子サイクロトロン波(EC波)による非誘導プラズマ電流の立ち上げ実験を、抑制電場の効果を伴って実施したものである。電子サイクロトロン加熱(ECH)によって電流を立ち上げ、プラズマ内でのエネルギー吸収効率を高めるために、逆方向のトロイダル電場を適用し、エネルギーの高い電子の成長を抑制する手法が検討されている。 論文の概要
本論文では、球状トカマクでのEC加熱を用いた非誘導電流立ち上げにおいて、逆方向のトロイダル電場(抑制電場)を導入し、エネルギーの高い電子の成長を抑制しつつ、プラズマ電流を立ち上げ、維持する実験結果を報告している。特に、プラズマの電流立ち上げと安定化を効率よく行うために、抑制電場の効果がどのように作用するかについて検討している。 何が明らかになったのか
抑制電場を適用することで、高エネルギー電子の成長が抑制されると、EC波のエネルギーが低エネルギー電子(バルク電子)に効率よく吸収されることが明らかになった。また、プラズマ電流はEC加熱によって維持され、1 keV程度の高い電子温度を実現することが可能であった。 その根拠を示す各図の説明とその理論
https://content.cld.iop.org/journals/0029-5515/64/10/106020/revision2/nfad6914f4_lr.jpg
図4: 抑制電場の適用により、電流立ち上げ時にエネルギーの高い電子の成長が抑制される様子が示されている。
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図9: ECHにおいて、バルク電子が効率的に加熱される様子を表しており、プラズマ電流の安定化が確認されている。 https://content.cld.iop.org/journals/0029-5515/64/10/106020/revision2/nfad6914f13_lr.jpg
図13: 高電子密度と温度において、EC波の一回通過での吸収効率が向上することがレイトレース計算で示されている。
今後の展望
さらなる実験と理論的解析により、抑制電場の効果やバルク電子加熱のメカニズムについての理解を深めることが求められる。特に、電子加熱の効率を向上させるための新たなアプローチや、フォッカープランクモデルを用いた理論モデルの構築が期待されている。 QUESTの立ち上げシナリオ候補の一つmasaharu.icon